タンクレストイレはパナソニックの「アラウーノS141」を選ぶのがオススメです。
そもそも、日本のトイレの技術は成熟期を迎えています。
- 汚れの付きにくさ
- 掃除のしやすさ
- 節水機能
- ウォシュレットの快適性
などはどれを選んでも大差ありません。となれば、タンクレストイレを選ぶ基準は「ブランドイメージ」と「価格」だけで充分です。
私は、あらゆる点を考慮した結果「パナソニックのアラウーノS141」を選びました。
とは言え、このページにたどり着いた方は、きっと自分の頭でいろんなパターンを考えたい人だと思います。
そこで今回はタンクレストイレを徹底的に解説していきます。
タンクレストイレの特徴
タンクレストイレにはいくつかの特徴があります。
タンクありトイレと比較するとき、ポイントになるのは以下の3つ。
【1】高級があってスタイリッシュ
→「良い家」の大半はタンクレストイレを採用している。
【2】手洗い設備が別途必要になる
→便器自体に手洗い設備がないため別途設置が必要。
【3】タンクありトイレよりコスパは悪い
→単純な定価がタンクありトイレより高い。加えて「手洗い器の設置費用」「故障リスク」などを考えると、コスパは悪い。
それでは、1つずつ詳しく解説します。
高級感があってスタイリッシュ
タンクレストイレのデザイン性は素晴らしい。
高級ホテルやレストラン、或いは、デパートのラグジュアリーフロアetc 高級感をウリにしている設備は、ほぼ例外なくタンクレストイレを採用しています。
住宅も例外ではありません。
小さなマンションや建売住宅の多くはタンクありトイレを採用しますが、高級注文住宅はタンクレストイレを採用するのが常識になっています。
ただ、タンクありトイレに比べると価格が高くなるのは否定できない明確なデメリットです。そのため、
- 来客の多い1階トイレはタンクレス
- 家族しか使わない2階はタンクあり
このような設置にする家が多くなっています。
手洗い器が別に必要になる
タンクレストイレには、便器上部の手洗い器が付いていません。
そのため、トイレ内に別途手洗い設備を設置する必要があります。そして、これが意外と落とし穴になりがちです。
と言うのも、トイレの広さって、大抵は最低限になっています。
近年の新築住宅のトイレの広さは、
- 0.4坪(123cm×78cm)
- 0.5坪(169cm×78cm)
この2択が大半です。そして、「タンクレストイレ+手洗い器」を付けるためには、どう考えても「0.5坪サイズ以上」が必須なのです。もし、タンクレストイレを設置したいのなら、設計の段階で0.5坪以上のサイズをトイレに割り振っておく必要があります。
タンクレストイレは「省スペース」もメリットのはずなのに、結果的に広いスペースが必要だなんて皮肉なものです。
タンクレストイレのコスパは悪い
タンクレストイレのコストパフォーマンスはめちゃくちゃ悪い。
まず、第一に本体価格が高い。
タンクありトイレは定価20万円ほどから導入できますが、タンクレストイレは25万円以上が普通。最高ランクを設置すれば50万円を超えるものもあります。
第二に、手洗い器の設置費用です。
タンクありトイレは付属の手洗いを利用できますが、タンクレストイレは別途設置費用が必要。手洗い器は安くても10万円前後、特注で作れば50万円を超えます。
第三に、修理費用です。
タンクレストイレは「便器と便座が1つになっている構造」です。そのため、どちらかに問題が起これば両方を交換しないといけない。反面、タンクありトイレの多くは「便器と便座が独立している構造」です。そのため、万が一壊れても片方の交換だけで済む。
そもそも便器(陶器)の耐用年数は30年を超えますが、便座(家電)の耐用年数は10年ほどですからね。一体型にしているタンクレストイレは無理がある構造なのです。
各メーカーのタンクレストイレを比較
それでも、私はタンクレストイレが好きです。
だって、どう見たってタンクありトイレよりスタイリッシュでかっこいい。住宅を新築する際は必ずタンクレストイレを設置することに決めていたので、各メーカーのタンクレストイレの情報は全て頭に入っています。
それでは、ここからは各メーカーのタンクレストイレを比較していきます。
【TOTOのタンクレストイレ】
→王道。全体的に高性能だが、価格が高め。
【リクシルのタンクレストイレ】
→コンパクトで独特のスタイリッシュさ。どう見ても便座が小さいため、デブからの支持が薄い。
【パナソニックのタンクレストイレ】
→唯一、陶器ではなく有機ガラスを採用。汚れの落ちやすさに自信ありだが、耐用年数に疑問が残る。価格は安い。
それでは、具体的な商品を見つつ、詳しく解説します。
【ぶっちゃけた本音】
はっきり言って、性能面ではどれを選んでも大差はありません。
どこのメーカーも汚れにくさや掃除のラクさには力を入れています。上位モデルはウォシュレットの感触や、自動開閉機能などを追加します。本当に、どこも大体同じなのです。
デザインやブランドにこだわりがないのであれば「高くても良いならTOTO」「安いのが良いならパナソニック」で間違いありません。
TOTOのタンクレストイレ
トイレ界の王道は「TOTO」です。
タンクレストイレにおいても例外ではなく、高級感があってスタイリッシュな「ネオレストシリーズ」は日本中のホテルやデパートで採用されています。
性能、デザインともに安定感は間違いありません。
ただ、唯一のデメリットは「価格」です。定番のネオレストシリーズの価格帯は以下の通り。
【ネオレストNX】
→57万円~。モデル機種のため、導入する家庭は少ない。
【ネオレストAH】
→34万4000円~。一般向けトイレの上位モデル。四角いデザイン。
【ネオレストRH】
→34万4000円~。一般向けトイレの上位モデル。丸いデザイン。
【ネオレストDH】
→27万9000円~。ネオレストAHから必要な機能だけを抜き出したモデル。
【GG】
→23万円~。タンクレス"風"トイレ。厳密には背面に小さなタンクが付いているが、手洗い器はついていない。
20万円前後で導入できるパナソニックと比べると、かなり強気な価格になっています。
ついでに言えば、トイレに付属する「手洗い器」や「キャビネット収納」なども、やや割高になっています。
TOTOを選ぶことで失敗することはありませんが、価格面を考えるならば後述の「パナソニック」がオススメです。
リクシルのタンクレストイレ
近年、勢いが失われてきたのが「リクシル」です。
元々トイレ業界は「TOTO」と「リクシル」の二強でした。ところが、近年は「パナソニック」の人気が急上昇して、2位の座を明け渡しました。
「安定感のTOTO」「コスパのパナソニック」に比べるとリクシルのトイレは、特徴がないのです。
価格もTOTOよりは控えめですが、パナソニックよりは高い。
【サティスG】
→32万7000円~。リクシルのフラッグシップモデル。
【サティスS】
→25万4000円~。リクシルの定番タンクレストイレ。世界最小サイズ。
【プレアスLS】
→23万円~。タンクレス"風"トイレ。厳密には背面に小さなタンクが付いているが、手洗い器は付いていない。
リクシル唯一の特化ポイントは「サイズの小ささ」です。
「サティスS」の奥行きは世界最小クラスの「65cm」 TOTOやパナソニックの標準サイズが「72cm」ほどであることを考えると、10cm近い余裕スペースを作ることが可能です。
そのため、「0.4坪サイズ(123cm×78cm)」のトイレに設置するのであれば、リクシルのトイレを選ぶメリットが生まれます。
パナソニックのタンクレストイレ
コスパ抜群のタンクレストイレが「パナソニック」です。
まず、パナソニックの商品は全てがタンクレストイレです。タンクレストイレに特化したラインナップゆえにお得感が強く、定価20万円以下でタンクレストイレを導入できるのはパナソニックだけになります。
【アラウーノL150】
→32万円~。パナソニックの最上位モデル。機能はもちろん、便座のカラーを自由に選べるのがポイント。
【アラウーノS141(旧アラウーノSⅡ)】
→21万円~。パナソニックのベースモデル。充分な機能が付いて、この価格は他メーカーでは実現不可。
【アラウーノV】
→15.8万円~。便座と便器が分離した廉価モデル。機能は最小限だが、タンクレストイレとしての体裁は充分。
何と言っても中位モデルの「アラウーノS141」が21万円~の価格で導入できるのが最大のポイント。
日本人は、上中下の選択肢があったとき「中」を選びがちです。
トイレも例外ではありません。そして、「中」の中では「アラウーノS141」が最もお得なのです。
【TOTOの中位モデル】
→ネオレストDH 27万9000円~。
【リクシルの中位モデル】
→サティスS 25万4000円~。
【パナソニックの中位モデル】
→アラウーノS141 21万円~。
ブランドやデザインに拘りがないのであれば、パナソニックを選ぶのがオススメです。
まとめ
タンクレストイレは「スタイリッシュな高級感」が重要なポイント。
どのメーカーを選んでも、
- 汚れの付きにくさ
- 掃除のしやすさ
- 節水機能
- ウォシュレットの快適性
などは充分に備わっているため「デザイン」と「価格」で選んでしまえば大丈夫です。
また、価格的に最も優れているのはパナソニックの「アラウーノS141(21万円~)」です。スクエアフォルムのため好き嫌いは分かれますが、コストパフォーマンスは現行のトイレの中では群を抜いています。
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