タマホームの標準仕様のコスパは100点です。
もちろん、ローコストメーカーですので、全ての仕様が最高級と言うわけではありません。性能面は平均的、設備とデザインは"中の上"と言ったところです。
ただ、価格が圧倒的に安い。
「平均より安い価格で、平均より優れた仕様を実現している」のです。
そのため、コストパフォーマンスの観点から見れば100点満点。
今回はそんなタマホームの標準仕様を詳しく解説していきます。
標準仕様の基本的な考え方
住宅メーカーには「標準仕様」が存在します。
Aメーカー(参考価格2000万円)では標準仕様に入っていても、Bメーカー(参考価格1600万円)ではオプションになることもある。一見、Bメーカーの方が安く見えても、あなたの希望が標準仕様に入っているか分かりません。
ありがちなパターンが、
【Aメーカー】
→希望は全て「標準仕様」に入っているため2000万円で収まる。
【Bメーカー】
→希望は「オプション」になるため結局2500万円に。
こんな感じですね。
予算オーバーを抑えるために、
- 性能
- 設備
- デザイン
この3つに分けて、住宅メーカーの「標準仕様」をチェックしておくことが大切です。
住宅の性能
快適に暮らすための「住宅の性能」です。
代表的なものは、
【耐震性】
→地震への強度。「耐震等級(1級,2級,3級)」で表すことが多い。3級が最大だが、数値には表れない技術も多い。
【断熱性】
→熱を閉じ込める性能。断熱性が高い住宅は冬は暖かく、夏は涼しい。
【気密性】
→家の隙間を埋める。換気効率が高まり、断熱性との相乗効果を生む。
この3つ。
ただし、「オーバースペック」には注意する必要があります。
例えば「耐震性」です。
現在の新築木造住宅は最低でも「耐震等級1(震度7でも倒壊しない)」が設定されています。つまり、どれだけ安い家でも1回の大地震で倒壊することはほぼあり得ないのです。
とは言え、耐震性を望む日本人は多く、「耐震等級2(等級1の1.25倍)」「耐震等級(等級1の1.5倍)」の家を設計する人も少なくありません。加えて、等級には表れない地震対策も数多く存在し、突き詰めていけばどこまでもお金をかけて耐震性を高めることが出来ます。
そこまでいくと、コストパフォーマンスは悪くなる。
家の性能は大切ですが「現実的なライン」を決めておくことが重要です。
詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
-
住宅の性能とは|「耐震性」「断熱性」「気密性」の3つを抑えておけばOKです。
「住宅の性能」を難しく考える必要はありません。 覚えておくべきは次の3つ。 【耐震性】 →地震に強いかどうか。「耐震等級」で表現される。 【断熱性】 →熱を逃さないかどうか。「UA値」で表現される。 ...
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住宅の設備
キッチンやトイレなどの「設備のレベル」です。
そもそも、住宅はたくさんの設備会社の商品を組み合わせて完成します。ニチハの外壁、TOTOのキッチン、リクシルの扉…etc と言った具合ですね。
そして、どこのメーカーの、どんな商品を取り入れるかは住宅メーカーによってバラバラです。
例えば、Aメーカー(標準仕様2000万円)より、Bメーカー(標準仕様1600万円)の方がお得に見えても、
【Aメーカー】
→パナソニックの最高級キッチン「L-クラス」が標準設備。その他、全ての設備が最高級ライン。
【Bメーカー】
→パナソニックのリーズナブルキッチン「V-スタイル」が標準設備。その他、全ての設備が最低限ライン。
こんな風になっているのならば「コスパが良い」のは間違いなくAメーカーです。
どこの住宅メーカーでも標準設備からハズレると割高になるため、あなたが望む標準設備を持ったメーカーを選ぶ必要があります。
また、標準設備について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
-
住宅の標準設備とは|基本料金に含まれる設備ランクは住宅メーカーによって異なります。
住宅メーカーには独自の「標準設備」が存在します。 設備とは、 キッチン お風呂 洗面台 トイレ 玄関ドア 窓 これらを示すのが一般的。 設備のグレードはピンキリです。キッチン一つを見ても、最低ランクと ...
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住宅のデザイン性
住宅の外装や内装のデザイン性です。
正直に言って、一般的なデザインの95%は大抵の住宅メーカーで実現することが可能です。例えば、「タマホーム」はローコスト系メーカーですが、それでもシンプルモダンからヨーロピアンハウスまで多種多様なデザインを実現しています。
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ただ、稀にデザインに制限を設けるメーカーも存在します。
例えば「一条工務店」です。
一条工務店は高性能住宅メーカーとして有名ですが「気密性」や「断熱性」を担保する条件として、間取りやデザイン面に制限が存在します。そのため、一条工務店で建てる家はキューブ型の画一的なデザインが多めです。
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また、住宅のデザイン性について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
-
住宅のデザイン性とは|どこのメーカー,工務店を選んでもデザインは自由自在です。
どこの住宅メーカーを選んでも、デザインは自由自在です。 と言うのも、大半の住宅メーカーは「組み立て屋」なのです。ニチハの外壁、ケイミューの屋根、YKKの窓、リクシルのカーポートetc… あらゆる建材メ ...
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タマホームの商品ラインナップ
タマホームは「商品」によって標準仕様が異なります。
タマホームの売れ筋商品は3つ。
【大安心の家】
→タマホームのベストセラー商品。
【大安心の家 PREMIUM】
→大安心の家の上級ラインだが、あまり大きな違いはない。
【木麗な家】
→タマホームで最も安価なモデル。最安で注文住宅を建てたい人はこれ。
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
大安心の家
【坪単価】
40万円~50万円。タマホームの標準価格。
【性能】
長期優良住宅対応。オプションでZEH対応も可。
【設備】
TOTOやリクシルなど大手メーカーをラインナップ。標準仕様は中価格帯ライン。
タマホームのベストセラーが「大安心の家」です。
はっきり言って、「大安心の家」のコストパフォーマンスはすごい。一言で言えば、
「平均以下の価格で、平均以上の家を建てられる」
のです。
タマホーム自体がローコストメーカーなので、最高性能とは言いませんが価格に対してのコスパは抜群。特に、
- キッチン
- バスルーム
- 外壁
- 扉
など、設備面の豪華さは他ハウスメーカーと比べても遜色ありません。
大安心の家 PREMIUM
【坪単価】
50万円~60万円。タマホームの高級ライン。
【性能】
長期優良住宅対応。オプションでZEH対応も可。
【設備】
TOTOやリクシルなど大手メーカーをラインナップ。標準仕様は中価格帯より少し上。
高級感を高めたのが「大安心の家 PREMIUM」です。
「大安心の家」との違いは以下の通り。
- 制振ダンパーの標準仕様
- 外壁のバリエーションが増加
- 建具のグレードアップ
- etc
正直に言うと、あまり大きな違いを感じません。
と言うのも、大手ハウスメーカーの多くは「高価格」「中価格」「低価格」の3つの商品群を作るのですが、注文数は圧倒的に「中価格」に偏るのです。
「日本人は、真ん中を選びたがる」
という定説ですね。
そのため、「大安心の家 PREMIUM」は明確な差別化と言うよりも、「一応の高価格帯」としてラインナップされている側面が強い。あまり選ぶ意味はないでしょう。
木麗の家
【坪単価】
30万円~40万円。タマホームの最安価ライン。建売並に安い。
【性能】
最低限。オプションで長期優良住宅対応可。
【設備】
TOTOやリクシルなど大手メーカーをラインナップ。ただし、最も安価なラインが標準仕様。
建売並の価格で建てられる注文住宅が「木麗な家」です。
はっきり言って、この商品はめちゃくちゃ安い。注文住宅で坪単価40万円を切る商品なんてほとんど存在しませんが、「木麗な家」は、
- 自由設計
- 大手メーカーの設備
- 長期保証・点検
などのポイントを抑えた上で建築することが出来る。注文住宅の中では低めの性能ですが、建売と比べれば普通です。
つまり、一言で言えば、
「平均以下の価格で、平均的な家を建てられる」
のです。
ちなみに、一例として「大安心の家」との違いを挙げると、
【屋根】
木麗:コロニアル
大安心:陶器瓦 or ガルバニウム or コロニアル
【窓】
木麗:アルミサッシ+Low-Eペアガラス
大安心:アルミ樹脂複合サッシ+Low-Eペアガラス
【水回り設備】
木麗:TOTO,リクシルなどの安価商品
大安心: TOTO,リクシルなどの中堅商品
こんなイメージ。
どこを比べてもランクが下がったり、選択肢が狭まったりしていますね。
ただし、「基礎」や「構法」などは変わらないため、生活の根幹を支える部分には何の問題もないことをお伝えしておきます。
タマホーム「大安心の家」の仕様をさらに詳しく
ここからは「大安心の家」の標準仕様をさらに詳しく解説します。
ただ、タマホームの商品は、地域によって仕様が少しずつ異なるので注意が必要。
水回りや外壁のレベルは同じなのですが、断熱材やガラスのランクが異なります。
分かりやすく言えば、
「暖かい地域と寒い地域で、必要な設備が同じな訳ないだろ」
って話です。
今回紹介する標準仕様は東京や大阪、名古屋が含まれる「5,6,7地域」です。
商品はタマホームで最も販売されている「大安心の家シリーズ」になります。
【構法/耐震性◯】
→木造軸組構法
【断熱仕様 / 窓◯】
→グラスウール14K アルミ樹脂複合サッシ
【気密仕様△】
→記載なし。
【水回り設備◯】
→TOTO、リクシル、パナソニックの中堅ラインから自由に選択。
【建材◯】
→DAIKEN、EIDAI、リクシルの中堅ラインから自由に選択。
全体としてコストパフォーマンス100点です。
断熱仕様や機密使用などに改善の余地はありますが、坪単価「40万円~50万円」という価格を考えると、価格に対する標準仕様のレベルはめちゃくちゃ高い。
オプションで性能を上げるも良し、このままでコスパの良さを体感するも良しです。
それでは、詳しく見ていきましょう。
【構法/耐震性◯】木造軸組在来構法/ベタ基礎
構法は一般的な「木造軸組在来構法」です。
近年は、より耐震性を高めた「ツーバイフォー」なども登場していますが、コスパを考えると「木造軸組在来構法」で充分。
タマホームでは、耐力画材を加えることで「耐震等級3」を標準プランに組み込んでいます。
また、オプションにはなりますが「制振ダンパー」も20万円~30万円ほどで取り入れることが可能です。
【断熱性能 / 窓◯】グラスウール14K105mm
断熱材は一般的なグラスウールが標準です。
施工箇所と具体的な厚みは以下の通り。
【壁】
グラスウール14K 105mm
【天井】
グラスウール14K 155mm
【床】
ポリスチレンフォーム 55mm
率直に言って、ものすごく平均的な断熱材です。
加えて、断熱性能に影響を与える窓に関しても、
【サッシ】
アルミ樹脂複合サッシ(商品例 シンフォニー)
【ガラス】
Low-E ペアガラス 乾燥空気
こちらもいたって平均的。
ただ、タマホームの価格を考えると充分な性能だと言えます。もちろん、オプションを加えることで断熱性能を変えることも可能。
近年は断熱性能にこだわる家も多いため、
【断熱材】
→「天井標準グラスウール14K 210mm」にオプション。
【サッシ】
→「樹脂サッシ」にオプション。
【ガラス】
→「Low-Eペアガラス アルゴンガス」にオプション。
このくらいにはレベルアップしても良いかもしれません。
【気密性△】記載なし
タマホームの弱点は「気密性」です。
極論、断熱性能がどれだけ優れていても、気密性が低く隙間だらけだと効果は半減します。
しかし、気密性を高めるのは手間とお金がかかるため、タマホームどころが大手高級ハウスメーカーも標準仕様では言及していないのが現状です。
そのため、気密性が弱点ではあるのですが、それでも平均的と言えます。
ちなみに、タマホームは気密性に言及していませんが、一定の気密性がないと効果が薄い「第一種換気システム」を採用しているため、そこまで悪くないと推測されます。
【水回り設備◯】TOTO,リクシルなど大手4社
タマホームの水回り設備は、価格に対して非常に豪華です。
選べるメーカーは、
- TOTO
- リクシル
- パナソニック
- クリナップ
- タカラスタンダード
これらの大手5メーカー。さらに、標準仕様で「中堅ライン」を選ぶことが可能です。もちろん、オプション料金を払えばグレードアップも可能。
以下の商品を実際に選ぶことが出来ます。
通常の住宅メーカーならば、標準仕様では最も安いラインしか選ぶことが出来ません。
タマホームはコスパの良いメーカーですが、水回りは特に顕著です。
また、大手メーカーゆえオプションにかかる追加料金もリーズナブルに実施することが可能になっています。
【建材◯】EIDAI,ニチハなど大手数社
建材も大手メーカー数社から自由に選ぶことが出来ます。
内装ドアは以下の通り。
【EIDAI(永大産業)】
→中価格帯。スキスムS,スキスムTシリーズから自由に選択。
【DAIKEN(大建工業)】
→中価格帯。ハピアモダンシリーズから自由に選択。
【リクシル】
→中価格帯。ラシッサシリーズから自由に選択。
中価格帯だと、デザインの幅が一気に広がります。
よほど高級なデザインを考えていない限り、この3社の中価格帯でほとんどの希望を叶えることが可能です。
また、屋根や外壁などの外建材に関しても、
【屋根材】
→安価なスレートではなく、重厚感のある瓦を選べる。新東のセラムFシリーズ、鶴弥のスーパートライ110シリーズなどから自由選択。
【外壁材】
→メンテナンスコストのかからない中位モデルから選べる。ケイミューのエクセレージ光シリーズ15、ニチハのモエンエクセラード16などから自由選択。
このように、全体として中位モデルから標準仕様になっています。
カラーバリエーションも数えきれないくらい存在するため、どんなデザインでも実現することが可能です。
まとめ
タマホームの標準仕様はコスパ100点です。
性能面では改善の余地がありますが、水回りの設備面は特に強い。そもそも、価格に対する仕様のレベルはめちゃくちゃ良い。
タマホーム「大安心の家」の標準仕様をまとめると、以下の通り。
【構法/耐震性◯】
→木造軸組構法。ベタ基礎。耐震等級3が基本。
【断熱仕様 / 窓◯】
→グラスウール14K 105mm+アルミ樹脂複合サッシ。寒冷地では物足りないが、一般地域では充分。オプションで手厚くするのもあり。
【気密仕様△】
→記載なし。ただ、「第一種換気」を採用しているため、一定レベルだと推測。
【水回り設備◎】
→TOTO、リクシル、パナソニックの中堅ラインから自由に選択。コスパ最強。
【建材◎】
→DAIKEN、EIDAI、リクシルの中堅ラインから自由に選択。コスパ最強。
また、タマホームは「タウンライフ家づくり」から間取りを無料作成してもらうことが可能です。
直接展示場に行っても良いのですが、やはり営業されるのは少し面倒くさい。自宅にいるままで、間取りや見積もりが欲しいのなら「タウンライフ家づくり」を利用するのがオススメです。
また、タマホームの特徴や評判などを詳しく知りたい方は以下のページをどうぞ。
-
タマホームの特徴と評判|コストパフォーマンスで選ぶならタマホームが鉄板です。
タマホームは「大手ローコストハウスメーカー」の代表格です。 一般的に、 大手ハウスメーカー≒高級ハウスメーカー と考えても差し支えありません。CMでよく見る「積水ハウス」や「へーベルハウス」「ダイワハ ...
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