新築住宅ならば「ペット用フローリング」を採用することが可能です。
性能面では「傷がつきづらく、滑りにくい」というのが大きなポイント。犬や猫はもちろん、通常のフローリングを歓迎するペットは少ないため、ペット用フローリングを選ぶことで生活ストレスは激減します。
ただ、残念ながらペット用フローリングを標準採用しているハウスメーカーはほとんどありません。
そのため、ペット用フローリングを採用するのであれば、あなたがしっかりと要望を伝える必要があるのです。
今回はペット用フローリングの機能と具体的な商品をじっくり解説していきます。
ペット用フローリングに必要な機能
正直に言えば、通常のフローリングでもペットを飼うことは可能です。
傷がついても、ペットが滑ってこけても、それが致命傷になることは少ない。ペットのためにわざわざフローリングを変える人の方が稀なのです。
ただ、「リビングだけ」や「ペット部屋だけ」ならば、オプション料金もそんなにかかりません。
もし、予算に余裕があるのであれば、次の4つの要素を満たすペット用フローリングを選ぶことで飼い主もペットもより幸せになることが出来ます。
【傷に強い】
→ペットの爪が当たっても傷になりづらい。
【滑りにくい】
→肉球でも滑りづらい。小型犬や猫の転倒防止になる。
【匂いがつきにくい】
→うんちやおしっこで粗相をしても、拭き取ればダメージが少ない。
【カラーバリエーションが豊富】
→ペットに気を使いつつも、本来のおしゃれも楽しむ。カラバリが豊富なペット用フローリングは少ない。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
傷に強い
犬、猫とわず「傷がつきにくい」は非常に重要な要素です。
基本的に、大半の犬猫は地面に爪が当たりがち。そのため、走ったりジャンプしたりする拍子にフローリングに傷が入ってしまうのです。
ペット用フローリングを選ぶことで、ひっかき傷には明らかに強くなります。
ただ、近年の新築用フローリングは、ペット用に限らずある程度は傷はつきにくくなっています。よって、この要素だけを重視する場合、あえてペット用フローリングを選ぶ必要はありません。
滑りづらい
ペットへの配慮として「滑りづらい」は捨てづらい。
特に、小型犬や猫は、滑るフローリングの影響で関節や骨を痛めてしまいます。若い時はよくとも、歳をとってからケガをしてしまうと大変です。
建築後の対策としては、
- カーペットを敷く
- 滑り止めコーティングを行う
などの対策もありますが、新築時にペットのことを考えるならば「滑りづらいペット用フローリング」を採用するのがおすすめです。
匂いがつきにくい
飼い主は、ペットの匂いにどんどん鈍感になっていきます。
たまに「あ、この人ペット飼ってるな」と出会い頭に気づくほど匂いが染み付いている人も存在します。ペットの匂いは床や壁などに染み込み、そこで生活している人間にもはっきり移ってしまうのです。
特に、ペットが常に接地している床の要素は大きい。
おしっこやうんちの粗相をしてしまった場合も考えて、匂いがつきにくいペット用フローリングの効果はとても大切になるのです。
カラーバリエーションが豊富
残念ながら、「ペット用フローリング」のカラーバリエーションは少ない。
通常のフローリングならば、「DAIKEN」や「EIDAI」などの大手床材メーカーの中から"数十種類"にも及ぶ選択肢があります。
しかし、ペット用ならば"2種類"なんてことも少なくないのです。
ただ、一部に商品ならば数十種類とはいかずとも、5種類ほどから選ぶことは可能です。ものすごく拘りのある人を除けば、床材の色はブラウン系が大半。
ペット用フローリングの中だけでも、十分におしゃれを楽しむことは可能なのです。
おすすめのペット用フローリング
日本には、たくさんのペット用フローリングが存在しますが、実際に採用されるモノはあまり多くありません。
先に紹介した4つの要素、
- 傷に強い
- 匂いがつきにくい
- 滑りづらい
- カラバリが豊富
これらを満たす大手メーカーの商品が3つしか存在しないのです。
具体的には、以下の3つ。
【DAIKEN】ワンラブフロア
→最もメジャーなペット用フローリング。性能面は申し分ないが、カラバリが少ないのが欠点。
【EIDAI】パートナーワン
→最もオススメ。性能面に加えて、カラバリも比較的豊富。
【パナソニック】アーキスペック
→パナソニックの上位モデル。厳密に言えばペット用ではないが、カラバリが非常に豊富なためデザイン重視の人へ。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
ちなみに、記載している価格は全て「定価」です。工務店によって施工価格は違うため、参考程度にしてください。
【DAIKEN】ワンラブフロア
傷:☆☆☆☆☆
匂:☆☆☆☆☆
滑:☆☆☆☆☆
色:☆☆
価格:10,760円 / ㎡
新築時のペット用フローリングとして最もメジャーなのが「ワンラブフロア」です。
DAIKEN(大建工業株式会社)は日本トップクラスの床材メーカー。そのため、全国どこのハウスメーカー、工務店でも取り入れやすいのが人気のポイントです。
基本的な性能として、
- 傷に強い
- 匂いがつきづらい
- 滑りづらい
はバッチリですが、カラーバリエーションが少ないのが唯一のデメリット。
ホワイト系からダークブラウン系まで4色は揃っていますが、近年の数十種類にも及ぶ一般フローリングに比べると物足りなさは否めません。
この4色の中に気に入った色があれば採用で間違いありませんが、好みの色がなければ「EIDAI」や「パナソニック」の商品をチェックしてみてください。
【EIDAI】パートナーワン
傷:☆☆☆☆☆
匂:☆☆☆☆☆
滑:☆☆☆☆☆
色:☆☆☆☆
価格:7,820円 / ㎡
性能面とデザイン性を両立しているのが「パートナーワン 」です。
「EIDAI(永大産業株式会社)」は、DAIKENと並ぶ大手床材メーカー。こちらも、全国どこのハウスメーカー、工務店でも取り入れやすいのが嬉しいポイント。
- 傷に強い
- 匂いがつきづらい
- 滑りにくい
この3つの基本要素に加えて「カラーバリエーションが豊富で、デザイン性が高い」のが嬉しいポイント。
バリエーションとしては6色ですが、DAIKENに比べると木目の美しさがワンランク上になっています。
おまけに、定価で見ればこちらの方が20%ほど安い。
私は「パートナーワン(グレージュオーク色)」を選びました。おすすめです。
【パナソニック】アーキスペック
傷:☆☆☆☆☆
匂:☆☆☆☆
滑:☆☆
色:☆☆☆☆☆
価格:12,420円 / ㎡(色味による)
デザイン性を重視するのならば「アーキスペック」です。
「アーキスペック」はパナソニックが展開するフローリングの上位モデル。「ペット用」という訳ではありませんが、
- 傷に強い
- 匂いがつきづらい
- カラバリが豊富
この3要素を満たしているため、パナソニックの宣伝文句の中には「ペット共生」が含まれています。
特に、「カラーバリエーション」に関しては他社の追従を許しません。色だけでなく、木目まで選ぶことが出来ます。
これでも一部です。
ただし、「滑りづらい」の機能はついていません。
そのため、ペットのことを第一に考えるのであれば、先に紹介した、
- DAIKENの「ワンラブフロア」
- EIDAIの「パートナーワン」
このどちらかをオススメしたいところではあります。
まとめ
ペット用フローリングを選ぶためには、
- 傷に強い
- 滑りづらい
- 匂いがつきづらい
- カラバリが豊富
この4つを満たす商品がオススメです。具体的な商品は、建築中のハウスメーカーと相談するのが第一ですが、基本的には、
この3つの商品から選べば間違いありません。