「ビルダー向け商品」とは、選ばれたハウスメーカーの新築住宅でしか販売できない商品のこと。
主に、住宅設備における水回りで利用されます。
「TOTO」や「リクシル」「タカラスタンダード」などの大手水回りメーカーには、
- 一般向け商品
- ビルダー向け商品
この2つが存在します。
大抵の場合、一般向け商品と対になったビルダー向け商品が存在し、機能はほぼ同じにも関わらず30%オフ程度で販売されているのです。
今回は、新築住宅におけるビルダー向け商品について詳しく解説します。
ビルダー向け商品の特徴
ビルダー向け商品の特徴は以下の3つです。
【1】価格が安い
→一般向け商品に比べると定価で30%ほど安い。ハウスメーカーによっては半額ほどになることも。
【2】大手メーカーでしか納入できない
→一定の施工数がないと販売ができない。そのため、大手ハウスメーカーではビルダー向け商品を使うが、小規模な工務店では一般向け商品を使う。
【3】機能は抑えられている
→贅沢な機能は取り払われている場合もある。
それでは、1つずつ詳しく解説します。
価格が安い
実際の商品を例にして見ていきましょう。
大手ハウスメーカーの標準トイレとして、よく採用されているのがTOTOのビルダー向け商品「HV(旧ZJ)」です。
これはTOTOの一般向け商品「GG-800」と対になっています。
見た目はほとんど同じですね。
機能もほとんど同じですが、価格には大きな開きがあります。
【HV(旧ZJ)手洗い付き】
→19万4000円~
【GG-800 手洗い付き】
→25万3800円~
このように約30%ほどの価格差があるのです。
加えて、上記はあくまでも「定価」 実際の設置費用はハウスメーカーが自由に決めるため、場合によってはもう一回り安くなることもあります。
大手メーカーでしか設置できない
ビルダー向け商品を設置できるのは施工数の多いメーカーだけです。
明確な基準があるわけではないのですが、全国展開のハウスメーカーでは大半がビルダー向け商品を設置しているにも関わらず、地元密着型の工務店でビルダー向け商品を設置しているところは少ない。
もちろん、新築住宅にビルダー向け商品が必須な訳ではありません。
しかし、水回りの設備だけを見ても、
- キッチン
- バスルーム
- 洗面台
- トイレ
以上のように4ヶ所は必ずあり、一般向け商品を定価で設置した場合の合計金額は300万円を超えることも少なくないのです。
これらを全てビルダー向け商品にして30%オフの価格で設置できるのであれば、それだけで100万円近くの住宅費用を節約することが出来る。
そのため、一定以上の規模を持つハウスメーカーの方がコスパは良くなることが多いのです。
機能は抑えられている
商品によっては一部の機能が省かれている場合もあります。
先ほども登場したTOTOのトイレを見てみましょう。
ビルダー向けの「HV(旧ZJ)」と、一般向け「GG-800」の機能はほぼ同じです。デザインも似ていますし、メイン機能の、
【セフィオンテクト】
→便器内の凹凸をナノレベルでツルツルに。汚れがつきにくい。
【プレミスト】
→利用前に便器に水を噴射して汚れをつきにくくする。
【スゴフチ】
→フチが存在しないため、汚れが溜まりにくく、掃除しやすい。
などはどちらにも搭載されています。
しかし、「フタのオート開閉」はGG-800にしか搭載されていません。
違いは、そのくらいです。
他のビルダー向け商品を見ても、キッチンなら選べる扉色が少なかったり、洗面台なら収納ボックスが1つなかったり、そんな感じ。
そのため、よほどの拘りがない限りは「ビルダー向け商品」を選んだ方がコスパは良くなります。
ビルダー向け商品の具体例をいくつか紹介
全ての商品に「ビルダー向け」が存在する訳ではありません。
大抵の場合、各メーカーの中価格帯の商品のみ「ビルダー向け」が存在します。
加えて、ビルダー向け商品は公式HPにも掲載されておらず、ショールームでも一般客が認識できない場所に展示されているのです。何度も登場しているTOTOの「HV (旧ZJ)」なんて、従業員用の通路みたいな場所に展示されてますからね。
そのため、詳しい情報が欲しいのならショールームに行って、カタログをゲットしてみてください。
TOTO
中価格帯のトイレのみ「ビルダー向け商品」を展開しています。
具体的には、以下の2つ。
【GG-800】
→ビルダー向け「HV(旧ZJ)」
【ネオレストDH】
→ビルダー向け「NJ」
「タンクありトイレの売れ筋」と「タンクなしトイレの売れ筋」ですね。
ちなみに、ビルダー向けの「NJ」はこれ。一般向けの「ネオレストAH」と見た目の違いはほとんどありません。
「キッチン」「洗面台」「バスルーム」にはビルダー向け商品は存在しません。
リクシル
リクシルは「キッチン」と「トイレ」「洗面台」にビルダー向け商品を展開しています。
リクシルの水回り商品は、いずれも、
- 高価格帯
- 中価格帯
- 低価格帯
この3つに分けられるのですが、全ての「中価格帯」でビルダー向け商品を展開しているイメージです。
具体的には、
【キッチン】中価格帯アレスタ
→ビルダー向け「AS」
【洗面台】中価格帯LC
→ビルダー向け「MV」
【トイレ】中価格帯プレアス
→ビルダー向け「ベーシア」
この3つ。
リクシルのビルダー向け商品は、一般向け商品との違いがほとんどありません。
パナソニック
パナソニックには「ビルダー向け商品」がほとんど存在しません。
それぞれの設備の低価格帯、「V-style(キッチン)」や「FZ(バスルーム)」がビルダー向けとして扱われることが多くなっていますが、一般客でも購入できる上に公式HPにも掲載されています。
本来の意味でのビルダー向け商品はトイレの「アラウーノZ」だけです。
こちらは、トイレ中価格帯の「アラウーノS141(旧アラウーノSⅡ)」のビルダー向け。
アラウーノZはオープン価格のため定価が存在しないのですが、一般向けのアラウーノS141でさえ21万円~というお手頃価格のため、タンクレストイレを安く取り入れたい人にはイチ押しです。
タカラスタンダード
タカラスタンダードは全ての設備に「ビルダー向け」をラインナップさせています。
TOTOやリクシルと違い、一般向け商品と対になるラインナップではなく、あくまでも独立したビルダー向け商品として展開されているのが特徴です。
【キッチン】
→グランディア、オフェリア
【洗面台】
→ドレシオ、エリシオ
【バスルーム】
→リラクシア
【トイレ】
→ティモ二
タカラスタンダードのビルダー向け商品はオプションをつけなければ非常に安価なため、少しでも予算を抑えたいのであれば覚えておいて損はありません。
まとめ
ビルダー向け商品は、非常におトクなラインナップです。
一般向け商品と機能はほとんど変わらず、価格は約30%オフで設置することが可能になっています。
水回りの設備は合計で300万円を超えることも珍しくありません。そのため、まだハウスメーカーを決めかねているのであれば、
「ビルダー向け商品を扱っているかどうか」
で考えるのも正解です。
1つ1つのハウスメーカーをチェックするのは大変ですが、「タウンライフ家づくり」のような一括で資料を請求できるサービスを利用すれば手間はなくなります。申し込み備考欄に「水回りの標準設備を教えてほしい」と記載しておきましょう。
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