トイレの間取りに後悔する人は多い。
と言うのも、トイレって後回しにされがちなんです。
間取りを考えるときは優先すべき要素がたくさんあります。広いLDK、使い勝手の良い水回り、流行りのランドリースペースetc
結局、トイレが回されるのは「残った場所」になりがちなのです。
だけど、本当にそれで良いのでしょうか?
トイレは毎日何回も確実に使う場所です。あまり適当なところに配置してしまうと、毎日何回も不便な思いをするかもしれません。
そう、便を出す場所なのに、不便な思いをするかもしれない。
というわけで、今回はトイレの間取りを解説していきます。
トイレの間取りの基本事項
トイレの間取りを決めるとき、大切なポイントは以下の3つ。
【1】アクセスしやすい位置
→家のどこからでも利用しやすい場所に設置する。
【2】2ヶ所に設置する
→1階と2階にそれぞれ設置するのが主流。
【3】窓はなくても大丈夫
→窓を重視する人もいるが、近年の住宅は換気設備が進化しているので窓がなくても臭いはこもらない。
それでは、1つずつ詳しく解説します。
家のどこからでもアクセスしやすい
トイレまで遠いと、地味に面倒くさい。
延べ床面積30坪の2階建てくらいならば問題ないのですが、平屋でトイレを端に設置してしまうと地味に、本当に地味に面倒くさい。
そりゃ、実際には10秒もかかりません。
だけど、毎日の10秒は、本当に、本当に、地味に面倒くさい。
上記は贅沢な平屋住宅ですが、LDKからトイレまでの距離がつらめです。
1階と2階それぞれに設置する
現代の住宅は1階と2階にそれぞれ設置するのが主流です。
大手のハウスメーカーではトイレ2基設置が標準仕様に、小さな工務店でも比較的良心的な価格で2基目のトイレを設置できます。
建売住宅の場合はコスト削減のために1基しか設置しない場合もありますが、注文住宅ならば設置しておいて損はないでしょう。
また、その際は、
【1階トイレ】
→来客にも対応できるように広め。「タンクレストイレ+手洗い器」で少し豪華に。
【2階トイレ】
→家族しか使わないため最低限。タンク付きトイレでシンプルに。
こんな感じで、少し予算を節約するのが一般的です。
窓はなくても大丈夫
現代住宅のトイレに窓は必要ありません。
ひと昔とは違い、住宅の換気システムに加えて、トイレ自体の消臭機能も進化しています。そのため「臭い対策としての窓」はもう必要ないのです。
ただ、実際の間取りだと窓が付く場合がほとんどです。
どれだけトイレの機能が進化しても、やはり家のド真ん中にトイレを設置するのは誰でも抵抗があります。その結果、外壁の近くに配置されることが多くなるのです。
最適なトイレの間取りの実例集
ここからは、最適なトイレの間取りを紹介していきます。
オススメの場所は次の4つ。
【玄関横】
→玄関扉から見えないならベスト候補。来客から見える位置はNG
【リビング横】
→廊下を挟むならベスト候補。リビングから直接トイレはNG
【洗面所横】
→水回りを回遊導線に出来るならベスト候補。脱衣所兼用だと面倒なこともある。
【階段下】
→スペースの有効活用として最適。結果的に「リビング横」や「玄関横」になることが多い。
それでは、実例を交えながら1つずつ解説します。
【玄関横】扉から見えない位置ならベスト
最もポピュラーなトイレ位置が「玄関横」です。
トイレは、適度に生活空間から離しておきたいものです。
そう考えたとき、玄関横ならば最適。LDKからはワンクッション置けますし、来客に貸すときも遠慮の必要がありません。
ただし、玄関から直接見えない配置にしておくのを覚えておきましょう。
玄関から直線位置にトイレがあると、来客があるときトイレに行きづらくなってしまいます。
特に、上記のような間取りだと、来客時にトイレの中まで丸見えになってしまう。
玄関横にトイレを設置する場合は、必ず玄関扉から直接見えない位置にしておきましょう。その配置が出来るのなら、トイレの第一候補になります。
【リビング横】廊下を挟むなら最適な場所
玄関横に次いで人気なのが「LDKの横」です。
リビング横は利便性重視です。
生活空間から近く、夏冬も寒暖差を感じることもない。家族だけの生活空間を考えるなら、リビング横は第一候補に挙がります。
ただし、「リビングとトイレの間にワンクッションを入れる」を忘れてはいけません。
食事中や、くつろいでいるときにトイレの便器を見たい人はいません。リビングとトイレが近すぎる間取りは快適性を損ねてしまうのです。
上記の間取りだと、食事スペースから便器が見えてしまいます。
どうしようもない理由があるのなら仕方ありませんが、推奨は出来ません。
【洗面所横】家事ラク間取りで人気
近年、人気が高まっているのが「洗面所横」です。
これは「家事をラクにする間取り」というコンセプトの一環ですね。
大手ハウスメーカーが推奨している、
- 水回りをまとめる
- 二方向からアクセスできる
この2つを実践した形になります。
こんな間取りを作るためにはキレイな長方形、或いは正方形の形が必要になってしまいますが、利便性を考えるならこれ以上はありません。
ただし、洗面所とトイレを直接つなげてしまう場合は注意が必要です。
誰かが洗面所を使っていると利用しづらくなってしまい、一気に利便性が下がります。「洗面所横」と言っても、しっかりとワンクッションを置くことが重要なのです。
【階段下】スペースの有効活用なら最適
スペースを無駄なく利用するなら「階段下」です。
実は、階段は8段目くらいから下スペースを使うことが出来るのです。
少し天井は下がってきますが、トイレの奥を配置すれば利用には問題ありません。
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もっとも、基本的な配置は「玄関横」や「リビング横」と同じです。
近年の新築住宅は階段下にも「トイレ」や「収納スペース」を設置することが多いため、間取りによっては積極的に活用していくと良いでしょう。
まとめ
トイレの配置は、間取り設計において地味に大切です。
基本配置は以下の4つ。
- 玄関横
- リビング横
- 洗面横
- 階段下
そして、可能であれば、上記の中から2~3個を同時に満たしていれば理想ですね。
また、新築住宅におけるトイレの情報は以下のページからご覧ください。
- 最適なトイレの広さ
- おすすめの便器
- トイレ収納の選び方
などを詳しく解説しています。
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